■作品名 翔んでる源氏 ---お花5個が満点---
■ジャンル パロディ小説 [読みやすさ]
[ 専門度 ]


■著者 胡桃沢耕史
■出版社 角川文庫
■書籍コード 4-04-168309-2
■初版 平成4年1月25日
■備考 主人公は光源氏ではありません。 
■□■ 感想 ■□■

  はっきり言って源氏物語の超亜流のパロディ!! でも、めちゃくちゃイケてるのがこの話しだろう。
よくタイトルには源氏だの紫式部だのと入っているのに、中をあければ、ただの現代ミステリ-だったという本があるが、この『翔んでる源氏』の舞台は、しっかり平安時代である。
物語は賢子姫(かたいこひめ)と名乗る紫式部の娘が、亡くなった母(ここでは香子と言う)が源氏物語を執筆していた時に聞いた裏話を回想するという設定だ。
話し自体は、原典でいう6帖(紫の上と結ばれる所)までで終わってしまうのが残念だが、本当にこんな裏話があったのかも‥‥と思わせるような内容に仕上がっている。
ちらりと本文にでてくる場面を紹介しよう。
『母が三十二歳の歳に書き出し、四十一歳のときに書き終えた五十二帖の長い物語りは、宮廷内にお仕えする多くの文章家をはじめ、上つ方から女官のはしばしの方まで大変な評判になり、それまで「枕草子」の著者清少納言様に比べて、どちらかといえば地味であった母の存在を、いっぺんに有名なものにさせました。私の二十歳の年のことです。』
こんな調子で先ず賢子姫が紫式部について語り、続いて源氏物語の話の流れを間に挟み(源氏物語の原典を知らない人が読んでも大丈夫。著者は、口語文こそ現代風な言葉使いにアレンジしているが、原典の話の流れにほとんど修正を加えてません)そして又、賢子姫の回想録へといった手順で構成されています。
失礼な言い方だけど、これをユ-モアミステリ-系の作家が執筆しただなんて思えない。非常によく勉強されているので、源氏物語マニアの方が手に取っても、「おいおい(^^;そいつはちょ〜っと違うんじゃないかぁ?」となる確率は低そうです。
純文学系の作家と違い、文章は読書よりはマンガが好きよ、という人にも気楽に読めるテンポの良さ。古典を毛嫌いしている人にも、推薦できます。



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