| ■著者 |
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| 監修 |
鈴木一雄(十文字学園女子大学学長) |
| 編集 |
中野幸一(早稲田大学教授) |
| 執筆 |
縄野邦雄(武蔵野女子大学非常勤講師) |
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緑川真知子(関東学院女子短期大学非常勤講師) |
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斉藤菜穂子(早稲田大学大学院生) |
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岡部明日香(早稲田大学大学院生) |
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松木典子(早稲田大学大学院生) |
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福嶋昭治(園田学園女子大学教授) |
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神作光一(東洋大学教授) |
| 論文 |
田中隆昭(早稲田大学教授) |
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坂本さん/共展(駒場東邦高等学校) |
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木船重昭(元中央大学教授) |
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| ■出版社 |
至文堂 |
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| ■書籍コード |
T1103718042528 |
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| ■初版 |
12年4月10日 |
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| ■備考 |
雑誌/国文学解釈と観賞の別冊 |
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国語の先生が読んでも十分勉強になる内容 |
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| ■□■ 感想 ■□■ |
本書は、タイトルからも解る通り、源氏物語の研究本です。全体の構成は、賢木(さかき)についての概要及び登場人物の紹介から始まり、各センテンスごとの原文と現代語訳、それに附随する写真、資料、注釈からなっており、巻末には「光源氏における孝と不孝」「御息所の年齢」「光源氏・藤壷の宮の贈答歌」と題した3本の論文を収容しています。
こちらの本が他の研究本と違って優れている所は、素人を対象に書かれているという点です。冒頭では「賢木」が、物語の中でどのような役割をになっているかについて簡単に説明がなされているため、始めて源氏物語を手に取った読者でも、すんなり研究の濃い世界へ入って行く事ができます。
ここに本文からの抜粋で「賢木」について説明するなら、「賢木は、源氏をめぐる主要な人物が激しく動く巻である」という事になります。一帖づつ手に取った事が無い方のために、簡単に説明を加えるなら、賢木では4つの大きな事件が起きます。まず、「源氏と六条の御息所の別れ」があり、ついで「源氏の父帝の崩御」「藤壷の出家」「源氏の失脚」へと続きます。つまり、「賢木」は、研究者でさえ研究しがいのある「源氏物語の山場」とでも言うのでしょうか。従って、素人にとっても「賢木」は研究しやすく、また、理解しやすい1帖なのです。
本書では4つの大きな事件に添って、時代的背景の解説や資料が数多く紹介されています。例えば、御息所の部分で言うと「親添ひ下りたまふ例」と題して「醍醐天皇の第四皇子重明親王を父に持つよし子女王」のケースが上げられています。歴史上、六条の御息所の娘(後の秋好中宮)のように、母親を伴って伊勢に下った内親王が確かにいた、というのです。つまり、本書に附随する資料から、紫式部は史実を踏まえた上でフィクションを書いていたのだという事が、私たち読者にも簡単に読み取ることができるのです。
また、観賞というタイトルが現す通り、本書では視覚的な面でも楽しむ事ができます。例えば同じ御息所の部分で言うと「野宮の様子」と題して「源氏物語画帖」の中から「源氏、六条御息所と対面」の図がモノクロで紹介されています。もちろん「野宮」についての解説もついています。
本書的に書くと「野宮は禁忌を感じさせる聖なる場であるからこそ、御息所の生霊事件を閉じ込める事が叶い、重層的に描かれる神聖さは、それを乗り越えて女に合う源氏の禁忌性を帯びさせると共に、裏側では恋人同士としての2人を守っている」という事になるのですが、イメージが掴めたでしょうか?
私の言葉に直して簡単に言うなら、源氏と御息所が対面した場所が「野宮」である必要性を、原文からも絵巻きからも読み取れる、という事になります。つまり、夕顔(源氏の恋人)と葵の上(源氏の正妻)の2人を生霊となった六条の御息所に殺された源氏が、なぜ、御安所と別れを惜しむために態々出向いたのか、という疑問が「野宮」という場所の設定により納得できるものに変わるのです。2人が別れを惜しむ場所は、一切の汚れを浄化する「野宮」でなければならなかった‥‥つまり、紫式部が考案した、物語の本筋と舞台設定の必然性が、ここ「野宮」の場面から読み取れるのです。
ざっと上げただけでも、本書の面白さがわかって頂けたと思います。洗いざらい書いていくと、長文になってしまいそうなので、本書の紹介はこの辺まで。源氏物語を追求したい、私のような素人さんには、ぜひこの本を読んでほしいと思います。 |
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