| 猿でも分かる(ことを目指した)解説 | ||
| ☆はじめに…… |
いったい、どういう問題が起きてるねん、という人のために、問題についての解説です。
筆者の視点がありあり含まれているかもしれませんが、様々な情報の中から真実を発見するのは読む人自身にゆだねらるものです。読みながら考えてくださいませ。
| ☆猿でも分かる(ことを目指した)解説…… |
まず、この海山町がどこにあるか、という話。Mapionの地図で言うと、ここです。
かなりへんぴな場所にあります。よって、ご多分にもれずに日本の田舎が共通で抱えている課題をここでも抱えている訳です。
一つ目の問題は過疎化。「こんなところにいてもつまんね〜」という訳で若者はどんどん都会に行ってしまいます。三重県南部の市町村はどこもこの問題を抱え、ほとんどの町が人口増加率はマイナスとなっています。
もう一つの問題は、この地域を支えてきた漁業が転換点を迎えているということ。地図を見ると分かりますが、三重県南部の熊野市〜南勢町にかけては複雑な海岸線をしています。この入り江ごとに集落ができ、そこで漁業をして人々は生活をしてきました。漁協も入り江ごとにあった(といっても過言ではない)という状況だったので、それほど大規模ではなく行われてきました。しかし、漁業はそれほど安定しないもの。サラリーマン志向の現代人には合いません。しかも、昔に比べてだんだんと魚がとれなくなってきています。漁業の先行きがかなり不透明なのです。2000/6/1には南勢町・南島町の16漁協が合併して全国最大の熊野灘漁協が設立されたのは、典型的な例でしょう。このように漁業が転換点を迎えているということは、漁業に依存する三重県南部の町では町自体が転換点を迎えているということであります。
志摩地方に属する地域では、自然を売り物にしたリゾート開発がさかんです。合歓の郷、少し離れた場所では志摩スペイン村なんかもあります。これらの場所は鉄道・道路などの交通の便がよいからできるものです。
それに対してこの地域。JRは今だに煙をもくもくとあげるおんぼろディーゼル車。車は高速道路から遠く、R42以外はうねうね路です。こんな場所ではよそからの観光客なんて望めません。
当然のことながら、工場を作ろうという人もいません。・・・じゃあ、他に何ができるのか?
そんな中で出てきたのが原発誘致構想です。原発を誘致すれば、地元に産業ができる。先行き不透明な漁業からサラリーマン生活に転向できる。町の財政も潤う。公共事業を政府が沢山落としてくれるので土建屋も儲かり、あれこれと道路を国が整備してくれます。なんて夢のような生活。これに町の未来を託す・・・原発賛成派というと、なにかと「??」なイメージがつきまといがちですが、発想としては悪くないと思います。町の未来を憂いてのことですし。
もともと原発計画は南島町・紀勢町にまたがる芦浜海岸という場所で計画されていました。計画されたのははるか昔。その計画を巡って南島町では町を二分する文字どおり戦いとなってしまいました。とある漁港には「中電の工作員は来るな」という看板がありました。「工作員」というとにわかに信じられないような気はしてしまいますが、この町では原発を作る為に様々な工作をしていた中部電力社員が実際いたのです。この泥仕合を見るにみかねた県が凍結宣言→北川知事の「白紙撤回」→中部電力が断念、という話になり、ようやく問題は落ち着きました(この数十年に渡る泥仕合については、書くと非常に長いのでここでは略)。でも、地元には大きなしこりを残しています。芦浜断念後に南島町・南勢町の16漁協が合併しましたが、原発推進派だった古和浦漁協が参加しなかったのはその典型的な例でしょう。
中部電力が芦浜原発を断念した後に持ち上がったのが、この原発誘致構想。海山町商工会を中心とした「豊かな海山をつくる会」が原発誘致を求めて議会に請願を出しました。それに反対する人たちは「原発反対海山町民の会」を結成し、誘致反対請願を提出。この決着をつけるために、住民投票をしようということになっています。
いまのところ、中部電力は先の血みどろになった南島町の轍を踏まないようにと静観の構え。県知事もかなり慎重発言を続けています。
| ☆ぱきの主張… |
この問題については、海山町で生活をしている人が自分たちの町の将来を考えて決める問題だと思います。原発反対団体が海山に押し寄せたりしてもいい迷惑なだけです。そうやって騒ぐことが、対立構造をより激化させることにもなりかねません。
この原発誘致問題が起きてから初めて海山町に行った、という人にいったい何が分かるのでしょ?大都市から反対だとか叫んでいる人に何が分かるのでしょ。彼らの反対運動には主義主張・考えは存在していると思いますが、そこに海山で生活する人たちの気持ちはどれだけ込められているのでしょうか?海山の賛成派の人たちだって、手放しで賛成と言ってる訳ではないでしょう。
後述であげたリンクの中にも入れた、中村さんのページ。ステキだと思います。確かにホームページとして見た場合雑な面もありますし、使っているものも無料サーバー・レンタル掲示板です。でも、「寄付をお願いします」とか言いながらこの問題のために独自ドメインを取ってる団体よりも、ずっと気持ちが伝わってきます。
芦浜原発の白紙撤回前、私は実際に南島町で反対運動をしていた住民と話をしたりしてきました。彼らは原発問題について様々な視点から学び・考えていました。それと同時に彼らは自分たちの生活をいかによりよくしていくか、漁業の未来なども真剣に考えていました。そんな生活があるからこそ、彼らは粘り強く反対運動を頑張ってこられた訳ですし、彼らの心が多くの人々へと伝わっていったんだと思います。
私は海山の人たちがどのような想いで、どのようなことをしていくのか、それを見守る積極的傍観者で今はありたいと思います。
ただ、私個人としては原子力発電所の新規建設には反対します。ただでさえ安全性が不確かなものをこれ以上増やされたらたまったもんじゃない。
原発問題を語る時に「日本のエネルギー問題うんぬん」「原発が嫌なら電気を使うな」とかいう主張が出てきますが、俺的には却下です。「オール電化」なんて言って電気を大量に使う生活を推奨して、自社の利益を増やそうと懸命な電力会社さんですので。
さて、あと問題は中部電力ですかぁ?静観の構えとか言ってるけど、裏で何をしているかは分かったものじゃない、というのが、俺的感想なんですけどね。
この住民投票。公職選挙法の適用外なので、やろうと思えば賄賂だろうが接待だろうがやりたい放題です。「賛成派が勝てば一人100万円」という話なんかもありますし。こういうのがまかり通ると、町の中でわだかまりとかが生まれてくるんですよね。南島町での洗礼をどこまで踏まえたか知りませんけど、このような仕組みを作ってしまった議会・町長の責任は重いでしょうね。
この住民投票でもし賛成派が勝利したからといって、「さぁ、原発」という話になる訳じゃありません。何より一番のポイントは、漁業権を持つ漁協との交渉になります。ここで漁業権を持つのは海山漁協(旧白浦漁協…H5.1.1合併)です。漁協は反対姿勢を示していますので……原発立地は簡単ではありません。
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