心理学専攻の立場から「アニマルセラピーから見た自家繁殖論」
(1)「犬を自家繁殖する理由」
犬の存在によって人が癒される、これは今話題になっているアニマルセラピーと言われるものである。
海外ではイギリスなどの老人施設や医療施設において積極的に取り入れら、成果をあげている。
しかし、そのアニマルセラピーは日本では難しいと言われている。その理由は犬の資質の問題である。
資質(性格)は、生得的なものと、環境によって育成されるものに分けられるが、いくら生得的
な資質が万全であっても環境が悪ければ資質をつぶしてしまう。逆に生得的に資質がなかったとしても
環境によって育成される資質は育つ。つまり環境が左右する部分が大きいのだ。人間の子どもでも生後
3年目までの生育環境(親の愛情、しつけを含む)がその後の人格において多大な影響を及ぼすことは
実証されている。
同様のことが犬の小犬にも当てはまる。小犬の場合は一般的に生後3ヶ月
前後までの環境がその後の性格を左右するといわれている。
つまり犬の性格を左右する一番大切
な時期は生後3ヶ月までなのである。その時期に親犬の愛情をたっぷり受け、兄弟犬とかみ合いの遊び
をする中でものを噛む”限度”を覚える。ここで犬社会での掟の基本を習得する。
しかし家庭犬として飼われる犬は犬社会の掟を知っているだけではいけない。そこで多くの人間と触
れ合い、人に体あらゆる部分を触られても平気にさせる。この期間の同時に人間社会に住むことも自覚
させる。これらのことを通して、小犬は人間社会で人間と共存し、人間に添っていく資質を獲得できる。
これらのことを欠かしては、人間社会において人間に寄り添い、共存できる犬は育たない。
飼い主には従順に見えても他の人には迷惑をかけてしまう犬も多い。
日本とヨーロッパの違い
は何か?
それは人間社会においてペットの占める立場である。簡単に言うと日本では商品的な要素
が強く、ヨーロッパでは”新しい家族”としての要素が強い。それは小犬の売られ方にも見られる。
ヨーロッパでは日本のようなペットショップは存在しない。犬を飼う場合はブリーダーからである。
つまり全ての小犬は親犬のもとに長い間いることができる。最低でも生後45日間は母犬の十分な母乳
と愛情を受けることができる。
しかし、日本のペットショップでは、生後30日に満たない
小犬が、母犬から引き離され1匹でケージに入れられて売られているケースがある。一部のペット
ショップを除いて、大部分のところでは、一日中ケージに入れっぱなしで、生命を保つため以外の
処置は何も施されていない。衛生的に問題があるペットショップもある。(勿論 これらの事に非常に
気を使っているペットショップもある )
子犬の性格形成において最も大切な時期にこのような
環境で育った犬が成犬になり、人を噛む、吠えまくる、などの威嚇行動、また逆に極度の恐怖症になる
など人間を煩わせる問題犬になったとしても犬には何ら非はない。原因の90%は生育環境にあると
言っても過言ではないだろう。
次に商業目当ての一部のブリーダーの存在。こちらも主な目的
が販売なのであるから、小犬に手間暇をかけない場合もある。ペットショップより酷い扱いをしている
ところもある。ペットショップであれ、ブリーダーであれ、犬を生き物としてよりも製品として扱った
り、市場でたたき売りしたりする現状がある限り、愛情不足、情緒不安定の小犬は大量に生産され、
結果としてそのような犬が人間社会で人間に寄り添い、人と信頼関係を築き、セラピードッグとして
活躍できる可能性は薄い。(誤解のないように申し添えますが,あくまで ヨーロッパ等と比較した話で
あって,優良なペットショップやブリーダもたくさんおられます)
”セラピードッグ”などと
言うと大袈裟な響きがあるかもしれないが、実際、動物が側にいるだけで、嫌なことも忘れてしまう
などという“ペットに癒された経験”をしている人は多数いるのではないでしょうか?
逆に問題犬の場合はそれを直す為に非常に苦労する事になってしまいます。(勿論そういう犬を救う
為に駆けずり回っておられる方もいます。)
一人でも多くの人にペットと共に楽しい人生を
送ってほしいと願っています。
続く.....
(2)
「動物に対する考え方の違いー日本と欧米」