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[犬の繁殖の考え方について ]

家の犬が可愛いので是非お婿さん, お嫁さんを迎えて 子供を作らせてやりたいと考える方も多いと思います。
しかし 犬の世界では 
素人の安易な 繁殖を戒める声 が強く, インターネットでも 多数 載っています。 繁殖については色々な意見があり,当犬舎も勉強中の身ですが,  犬の繁殖を考えておられる方にも参考になるかと思い,少しまとめてみます。
勿論その人の立場により,色々な考え方がありますので, あくまで私どもの考えです。

(1) 素人でも繁殖出来るか?   して良いか?

可愛いパピヨンを飼うようになってしばらくたつと 次は 子供が欲しい, 一回位はお産をさせて やりたい, この子にそろそろ お嫁さんを迎えたい, この子に良いお婿さんはいないか?  こんな可愛いので きっと もっと可愛い子供達が産まれる筈, 等々 考えてみる事でしょう。

この場合 まず 頭に浮かぶのは 初めてなので 出産が心配  という方が多いようです が, 良く 犬は安産 というように 出産自体は 犬に任せておけば 大抵の場合は大丈夫です。  初めての場合は 人間が手出しをしない方がかえって上手くいくかもしれません。 朝起きてみれ  ば, あるいは 家に帰ってみれば 問題なく 産まれていたというケースもあるでしょう。   
ところが 逆に 死産だったり, 帝王切開になるケースも あります。 もっとも 帝王切開  の場合は 犬の骨格を見れば、あるいは 出産日などで 事前にある程度 予測がつきます。   (自然分娩ができず,難産で 帝王切開が必要な犬種もあります。)

従って まずは 自分の犬が 出産に耐えられる犬, 出産に適する犬 かどうかの見極めと  万が一の場合の覚悟が必要です。 

では 覚悟ができたら OKでしょうか?  微妙な表現ですが, 出産自体 は 素人でも可能ですが, 繁殖となると 話は違います。   アマチュアによる安易な繁殖は厳に戒められています。 例えば 以下の リンク等をご参照下さい。


  
犬の交配について                   http://www2e.biglobe.ne.jp/~y-kiku/info/jbreed.htm

  
キャバリアのブリーダーから子犬を求める方へ http://www.cavaliernet.com/yuki/breeding/akc.html

  
愛犬でブリーディングを考えている方へ      http://www.cavaliernet.com/yuki/breeding/g-breed.html


勿論 こういう 意見に対して反論もあります。
少し 色々な観点から考えて見ましょう。

1) 雑種と純血種

 専門家が良く言うセリフに 「 純血種としての 犬種(ブリード)を 大事にしなければ ならない」 と言う事があります。 一方 「 そういう純血種は 人間が無理やり作り出したもの であり, 無理な交配を繰り返した結果として 純血種に遺伝的疾患が多い。 雑種の方が丈夫だ。」  という反論もあります。

 純血種というと 雑種よりも 高貴,上品な響きがあります。   しかし 大昔は すべてが雑種でした。 その中から特定の用途に向いた犬が選別され,その   特徴を伸ばすような選択交配が繰り返され,遺伝的に固定され,ひとつの犬種、つまり 純血種   が出来ました。 つまり 純血種というのは 雑種の中の特定の1分野に過ぎない と言う事も   言えます。

そういう意味ではひ弱な(遺伝的疾患の可能性が高いという意味で)純血種   より 雑種の方が 本来の自然な犬とも言えます。 
それなのに何故 繁殖する時は 純血種という事にこだわるのでしょうか?

 違う純血種同士掛け合わせた MIX もいます。 雑種だって可愛いものです。 例えば パピヨン  と ゴールデンを掛け合わせようと思う人はいないでしょうが,パピヨンと チワワならどうで  しょうか? パピヨンと ダックスを掛け合わせたらどんな犬になるでしょうか? そんな事を考え  るのは 神の摂理に背くと思う人もいるでしょうし,昔 犬種を作り出す時は色々実験をしたのだか  ら やったって良いじゃないか と思う人もいるでしょう。 でも 産まれた子供は 必ずしも   幸せとは限りません。 遊び半分や無責任にやるのは良くないという事については 大部分の人の  賛同が得られると思います。 

 極端に言うと それと同じ事だと思います。

 パピヨンという純血種は 昔の人が苦労して作り出し, 一時 絶滅の危機に瀕しましたが,他の  犬種の血の助けを得て,ようやく生き延び,大勢のブリーダの努力の結果として 現在のような優雅  で 可愛い犬に成りました。 勿論 これで完成した訳ではなく, 犬質の向上を目指した改良が  続いています。 
 パピヨンを飼っている人には 純血種を飼っている以上, これまでの  大勢の人々の努力を尊重する事が求められるのです。 自分の犬だから何をしても良いという訳では  ありません。 一部のアマチュアが, パピヨンという犬種の向上を考えないで,自分の犬が可愛い  いと言う事だけで繁殖/出産をする事に 世界的に 警鐘が鳴らされている という訳です。

 なお 純血種だから 遺伝的疾患が多く,雑種だから少ない という意見についても反論が あります。 純血種は検査をするので 遺伝的疾患が見つかる確率が高い。 雑種だって 数世代前 は純血種だった事が多く,遺伝的疾患の遺伝子は保持している。 発病しても 年取ったせいで片づ けられる事も多く,誰も系統的に調査していないので 認識されていないだけだ.....と。

更に言うと 雑種と言っても 昔から雑種として自然淘汰で生き延びて来た場合と 2〜3世代 前は純血種であったが 不用意な繁殖等により雑種になってしまった場合とがあり,後者の場合は  純血種として持っていた遺伝的疾患が残っていますので,雑種の方が丈夫だとは言えません。  雑種は血統の管理がされていないので どちらなのかは調べようが有りません。 最近は後者の方の 雑種が増えている事もあり,純血種から そういう本来でない雑種を増やしてしまうような 繁殖 に対して警鐘が鳴らされているのです。

 
2) 遺伝的疾患

 現在 純血種には犬種により 様々な遺伝的疾患が問題となっています。 例えば  プードルの パテラ(膝蓋骨脱臼), シェルティのPRA(進行性網膜萎縮), キャバリアのMVD(僧帽弁閉鎖不全病), ラブラドール/ゴールデンのCHD(股関節形成不全),ダルメシアンの難聴 等々。
従って 繁殖/出産にあたっては 充分な調査と予測が必要だ と言うのが 専門家の言い分です。 一方 チャンピオンを取った犬だって遺伝的疾患を発病する事があるじゃないか? という反論もあります。

 パピヨンは比較的 遺伝的疾患の少ない方と言われていますが, それでも 色々出ているよう  です。 例えば アメリカのパピヨンクラブの2000年の調査では 以下のような報告がされて  います。(遺伝性以外の病気も含む)

47% パテラ(膝蓋骨脱臼) 19% ヘルニア
37% 停留睾丸 17% 想像妊娠
34% 咬合不整 16% 癲癇
31% 歯周病 15% 不妊症
30% 骨折 14% 突然死
25% 泉門 14% 気管閉塞
23% 白内障 14% 先天的心臓障害
22% アレルギー 14% 水頭
20% 心雑音 12% 低血糖症
19% 膀胱結石 12% 尿路感染

 これを見て どういう感想を持たれましたか? うちの子は絶対 大丈夫だ,うちの子に限って...... とは やはり 言えないと思います。 
遺伝的にどういう掛け合わせをしたらどうなるのか? という事を知らずに いい加減な掛け合わせをしたら (ここで言ういい加減とは 見かけの立派さやチャンピオンかどうか というようなことではなく 遺伝的検証がいい加減と言う意味です), 産まれてくる仔犬に遺伝的疾患の出る確率は当然高くなるでしょう。
 勿論 うちの子から変な子が産まれるかもしれないとは 誰も想像すらしないでしょう。 知り合いや友人の出産の話を聞いて 私もしてみたい....と思う人が大部分でしょうから。 でも 確率的に言うと 遺伝的疾患を持った子は 上記の数値が示すように 必ず(?)産まれるのです。 そうなった時 どうしますか?

将来 ゲノムがすべて解読され,  医学/遺伝学がもっと発達すれば 違った対応がとれるようになると思いますが, 現時点では 少しでも 悪い遺伝子を排除し, 問題のある子供が産まれないようにしながら 良い形質の遺伝子を残していくように 繁殖プログラムを組むしかありません 。 それでも一定の確率で 問題児が 産まれる可能性も除去出来ません。
 少しでもその確率を下げようと努力し, 大変苦労(勿論 お金もかかるでしょう)をしている人達から見ると,そういう状況を簡単に壊してしまう可能性のあるアマチュア を何とか啓蒙したい,... 人間の勝手なエゴで産まれた大勢の犬が処分されている現状を何とかしたい... という 切羽詰まった思いがあるのです。


結論

結局 素人から見ると 「 職業として何度も産ませるのが繁殖で アマチュアが一回だけ産ませる出産とは違う。 私は 職業としてやる積もりはない。 一回だけの出産だから良いではないか? 」という意見が根強く、 それに対して 専門家は 「 例え一回だけであろうと 出産させる限りは その犬種にとっての繁殖(ブリーディング)であり, 子孫への影響を安易に考えてやるべきではない。」 という意見に集約されると思います。 

 さて あなたはどう思われますか?

(1) 素人でも繁殖出来るか?  して良いか?
(2) それでも 一回だけ 出産させてやりたい!
(3) 遺伝について
(4) 簡単な例




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