[
母犬の育児について ]
ここでは ちよっと 見方を変えて,
育児に専念している 母犬の事を書いてみます。
(1)
鶴の恩返し
ある方が 「 鶴の恩返し(夕鶴) 」 について
ホームページで 書かれています。 その方は
ブリーダの心構えというスタンスでこの鶴の恩返しを引用されていますが,
( それはそれで全く同感出来ますが ) 私は別の意味で
我が家の愛犬の出産に立ち会う度に
この物語を思い出します。
特に 出産してから 1週間, 2週間の間
母犬の様子を見ていると
心を強く揺すぶられます。
母乳を飲んだ後の子供達を見ていると,
気持ち良さそうに体を伸ばし,
母乳の美味しさの余韻を楽しむかのように
口をもぞもぞと動かし,
耳をときおりピクピク動かし,
体の骨が伸びる度に ピクッ と 体を痙攣させ,
幸せそうに 眠り続けています。
そういう仔犬達を眺めて
母犬も幸せそうな表情に.......と最初のお産の頃は思っていました。
しかし...
生後 1〜2週間の間, 母犬は 4〜6匹の仔犬に
お乳を しょっちゅう 吸われ続けます。
元気な仔犬の母乳の飲み方には
凄まじいものがあります。
兄弟同士の場所取り合戦の後, 乳首に吸いついた仔犬は
単に吸うという生易しいものでは有りません。
頭全体を使って, ポンプのように
母乳を吸い出しています。 6匹が同時に
母乳吸い出しポンプを稼働させると
凄まじいものです。 母犬は ハアハア
と大きく苦しそうに息をし, 仔犬達のお腹が母乳でパンパンになるのと引き換えに,
げっそりとやつれて行きます。
顔の頬骨は落ち込み, 眼は窪み,
肋骨が浮きでてきます。 もし
仔犬達がいない場面だったら
まもなく力尽きてしまうのではないか
と誤解する程の光景です。
それでも
母犬は仔犬達が母乳を飲みやすいように
体の位置を変え, 足を突っ張っても苦しい姿勢を保持し,
母乳を飲ませながらも, お尻を舐め,
排泄処理をしてやります。
仔犬は
日に日に大きくなるのが良く分かります。
産まれた直後は 100g 前後で
手のひらにすっぽり入るほど, 弱々しかったのが,
みるみる大きくなり, 400g, 500g になると
両手のひらからあふれ出すようになります 。
最初の頃は
母犬のおっぱいを吸う仕草が可愛らしいのですが,
こうなると まるで 母犬の
水分を全部吸い出してしまうのでは
と心配になる程のものすごさです。
ハイエナが群がって 貪っている
という表現も言い過ぎではない位に思えてしまいます。
乳首は腫れ上がり, 乳首の回りは 引っかき傷や
間違って吸いついた跡で 真っ赤になり,
痛々しい限りです。
それでも 母犬は じっと耐えています。
母犬が まさに
自分の骨と血と肉を 可愛い仔犬達に
絞り出すように 分け与えている有り様を目の前にして
心を強く揺さぶられます。
犬のお産は安産 と 良く言われます。
お産自体は安産かもしれません。 でもその後の
母乳をやる様子 は 人間の場合とは全く異なり,
自分の血肉を分け与えているので
一歩間違えると
母犬自体が危なくなるようにも感じられます。
それだけに
母犬の全身全霊をかけてこの世に送り出した仔犬達,母犬の心血を注いで育て上げた可愛い仔犬達 の行く末に大きな責任を感じざるを得ません。
少しでも良い家庭に巡り逢って欲しい。...... この子を通して,母犬の大きな愛情とプレゼントを受け取って
大事にして欲しい.......と。
(2)
母性本能と子離れ
(3)
警戒心と依頼心
(4)
しつけの責任