| 白雲観と東岳廟 この春節、北京もさまざまな廟会(縁日)でにぎわいましたが、今年の話題はなんと言っても半世紀の時間を経て復活した東岳廟の廟会でした。かつては民間信仰の中心地だった東岳廟も革命後、さまざまな単位に占拠され、その後、文化財保護に向かった北京市により接収されるにいたりなんとか、開放されるようになりました。同じような動きは故宮の近辺にもあり、開発が進みつつも、文化財保護にも力を注ぐようになった中国の姿が見受けられます。 さて、その東岳廟ですが、廟会を終えた今、しばし閉鎖中で、旧暦の15日に再開後は永久に(?)市民に開放されるそうです。 この東岳廟は白雲観とともに北京の道教寺院の双璧でした。白雲観が修行重視なのに対し、東岳廟は戒律も緩やかで世俗的だったようです。それに東岳廟では春節だけではなく毎月1日と15日に縁日が開かれていました。そのため庶民には親しみやすかったようです。 東岳廟に祭ってあるのは中国五岳の一つ泰山の神、東岳大帝です。(五岳とは、東岳・泰山、南岳・衡山、西岳・華山、北岳・恒山、中岳・嵩山)東岳大帝は三月二十八日が誕生日とかで旧暦のその日にも廟会が開かれ門前はにぎわったとのことです。また、科挙の試験場である貢院が近くにあったため、科挙の行われる年には学問の神である文昌帝君を参拝する受験者の参拝者が多かったといいます。 現在、付近には近代的なデパートが立ち並び、東岳廟だけが時代に取り残されたように立っていますが、タイムトリップしたようなその場所もこれからは憩いの場となることでしょう。ただ、山門からの参道が朝陽門外大街にじゃまをされてしまっていて、風情がなくなっていますが。 もう一ヶ所の道教寺院白雲観は、世間の雑踏からやや離れていて、心落ち着けて参拝できるところにあります。海外在住の華僑の人たちも観光のついでに参拝にやってきます。中国道教協会もあるここは、静かで、13年前に私がはじめて訪れたときもそうでしたが、若い道士の姿も見受けられ、修行の場という雰囲気が強いのが特徴です。 日本人にとって、道教の寺院に祭られている神々の像は色彩が豊か過ぎて、信仰の対象には見えないかもしれませんが、閻魔様など日本に渡った仏教の中には道教の影響を受けているものがあるのだということが理解できます。 ちなみに東岳廟は正一派の、白雲観は全真派の本山です。また、現在東岳廟には民俗博物館が併設されています。 1999年2月 |
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