雍和宮〜孔子廟/国子監北京の半日観光コース

  友達と一緒に、久しぶりに半日コースの観光をしてきました。雍和宮、孔子廟、国子監と隣接しているそんなところを楽しみました。かつては北京城の北のはずれに位置していたこれらの場所も、今は北京の中心地の一部です。

  ここに孔子廟、国子監が置かれたのは元の時代のことです。「左廟右学」という古代の制度にのっとり孔子廟と国子監は隣り合わせにあります。孔子廟は孔子を祭った廟であり、国子監はかつて太学ともいった元明清時代の最高学府です。現在は、孔子廟は首都博物館となり北京の歴史を簡単に学ぶことの出来る場所となっています。そして国子監は首都図書館として利用されています。国子監街には北京で唯一牌楼が残され、庶民の生活の匂いが残る胡同とはちょっと違った雰囲気を醸し出しています。西に向かって歩いていくと「下馬碑」があり、ここからは馬から下りて歩かなくてはなりません。「下馬碑」がほかに残っているのは十三陵の「石碑坊」のところでしょうか。孔子廟の影壁(目隠しの塀)はほとんど国子監街をはさんだ向かいの建物の一部と化していて気をつけなければ、それが孔子廟の影壁だとはわからないかもしれません。

  中に入ると、ひなびた建物が並んでいます。曲阜の孔子廟に次ぐ規模の孔子廟といわれていますが、その姿はちょっとさびしくもあります。時間の流れを感じるのにはよい場所ですが。瑠璃瓦の間からはぺんぺん草が生え、赤く塗られた柱は塗りがはがれ、補修がなされた観光地のあれやこれやの建物を見慣れた目には新鮮に映ります。
  目を横に向けると科挙の合格者名を刻んだ石碑(進士題名碑)が建っています。元至正十一年、つまり1351年から光緒三十年1904年まで198基、51,624名の進士の名前が刻まれています。孔子廟の中にはほかにも多くの石碑が残っていて一大碑林になっています。(ちなみに元の科挙がはじめて行われたのは皇慶二年1313年です)
  一番大きな建物、大成殿には孔子が祭られ、祭祀にあたり用いられる楽器その他が展示されています。(展示されているというより、放置されているといったほうがよいかも)。大昔から使われていた楽器などを見るのも面白いものです。
  傍らの北京の歴史展示室はぜひ訪れてください。北京がどれだけ長い歴史を持つ町かがわかると思います。天安門前広場東にある歴史博物館を見慣れた目には、ちゃちな感じがしなくはありませんが、北京の歴史を簡単に見るにはこちらのほうが最適です。北京原人の大昔から展示は始まります。(これを見ると私の脳裏にはいつも「労働創造了人類」という古代史第1時間目の講義の言葉がよみがえります)。時代により移り変わる北京の場所にも興味がそそられます。北京というと、元明清の都と思いがちですが、そうではないことに気がつくことでしょう。

  このへんで国子監に足を伸ばしてみましょう。図書館のため展示室以外は無料です。本を借りに来た子供たちの姿も見受けられ、雰囲気が和やかです。それに、まだ使われている建物の暖かさが感じられます。
  中心の、かつては皇帝が講義した辟雍殿は展示室になっていて、ここだけ浮いた感じがします。この建物の裏に香港の孔学院から贈られた孔氏像がたっていて先ほどのひなびた孔子廟とは違ったものに見受けられました。

  国子監街に出て、またこの道を東に戻ります。お線香や仏像を売るお店が建ち並ぶ雍和宮大街を横切るとそこが雍和宮です。中国でも有数のラマ教寺院で、かつては親王府でした。雍の字を見てお分かりのようにここはかつて雍正帝が親王だったころに住んでいた王府です。のちに皇帝になった親王が住んでいた館は「潜龍の地」といわれ、寺院などにされます。そのため、雍正帝が帝位についたあと寺院と行宮になり、「雍和宮」という名前になりました。そのあとこの王府で生まれた乾隆帝が即位するとラマ教寺院に作り変えられ、ラマ教の教務の中心地となりました。

  ここには乾隆帝の産湯のたらいが置いてあります。彫りの豪華な、まさか産湯のたらいだとは想像がつかないもので、説明もないもなく、今はお賽銭に埋もれています。かつては乾隆帝博物館と異名をとるほど乾隆帝の私用のものが下賜され保存されていたといいます。(その多くは火災などで焼失したそうです)

  雍和宮の本尊は一本の白檀の木に彫られた弥勒仏です。一本の木で彫られた像としては世界最大のものとかでギネスブックにも登録されています。(ラマ教寺院とギネスブック……?)ちなみに仏像の高さは、地上部分18m、地下に埋まった部分8mとかで28mだそうです。ダライラマ七世から乾隆帝へ贈られたこの白檀の大木。産地はネパールだそうで、どのように運ばれたのかそちらのほうに興味があります。この弥勒仏がまつられている建物だけは、なんとなく好い香りがする気がするのですが、それは気のせいでしょうか?

  雍和宮は班禅喇嘛の写真が飾られていたり、ラマ僧の姿が多く見受けられ、生きた寺院という感じがします。漢字、満州文字、モンゴル文字、そしてチベット文字が並んだ額。また、砂の曼荼羅などチベットを疑似体験できる雰囲気があります。

以上、ちょっとしたコースをご案内しましたが、私の一押しの半日観光コースです。
雍和宮の門前まで来てもよし、地下鉄で雍和宮まで来てもよし。(雍和宮駅の東南の出口はほとんど雍和宮の一部)。夏なら緑も美しい、そんな場所です。欧米系の観光客は多く見かけましたが、我が同胞の姿はほとんど見かけませんでした。北京にいらっしゃったときにはぜひ、お出かけください。友達と一緒に、久しぶりに半日コースの観光をしてきました。雍和宮、孔子廟、国子監と隣接しているそんなところを楽しみました。かつては北京城の北のはずれに位置していたこれらの場所も、今は北京の中心地の一部です。

 

追記:進士題名碑の部分、元の科挙が初めて行われた年と進士題名碑の最初の年のものを混同して年代を書いていたことを、もりた先生にご指摘いただきました。
元の科挙がはじめて行われたのが、皇慶二年1313年
進士題名碑の一番古いものは至正十一年1351年に訂正致します。

2001/9/10

 


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