龍の9匹の息子達

 龍は、原始時代の信仰の中で生まれた想像上の動物です。

 体は大蛇に似ながら剛鱗をもち、野獣の四本の足(掌は虎のようで、爪は鷹のよう)、馬のようなたてがみ、鬣(悽の尾、魚の髭、といった姿が龍だと言います。宋代の羅願曾という人は、龍は……「角似鹿、頭似駝、眼似鬼、首似蛇、腹似蜃、鱗似魚、爪似鷹、掌似虎、耳似牛。」と書いています。(鬣(リョウ)とは何ぞや。"あごひげ"だそうで、あごひげのような尾……よくわからない。「腹似蜃」、蜃は蛟(ミズチ)、つまり水中に住む龍の一種のことだそうで、龍のお腹が、龍に似ているといわれてもよくわかりませんね。

 龍は、中国の古い書籍や絵画の中で「雲を起し雨を呼び、万物に利をもたらす」神として描かれています。また、中国の歴代皇帝は、自ら「真龍天子」と称し、龍を一種のトレードマークとしていました。だから皇帝にゆかりの場所、皇帝のもののすべてに龍のデザインが使われるようになったのです。

 龍には九匹の息子がいるそうです。でもその9匹は龍にはなれなかったと言うことです。それら息子の一匹一匹は姿形も性格もまったく違っています。

石碑を背負うカメのような彫刻を見たことがあると思います。実はこれ、亀ではなく「贔屓(ビシ) 」なのです。贔屓ですがヒイキと読まないでくださいね。重いものを背負うのが好きなため、石碑を背負うことで龍の役に立っているのだそうです。亀と何が違うのかよくわかりませんが。

 

 

次男は「り吻(リチ)」という屋根の上にいる動物。シャチホコのような動物です。遠くを眺めることと、ものを咥えることが好きなのだそうです。だから屋根を支えているのだそうな。背中に剣が刺さっていて、これは「り吻」が動いてしまわないためだそうです。でもこの剣、見たことありません。(見えるわけないか、そんな高いところ)

三男は「蒲牢(プロ) 」。龍のミニチュア。ということは形としてはどこが違うのだろうか?、鐘の釣り下げられる部分の模様になっています。この部分を何と言うのでしょうか? 鳴るのが好きで、鐘と一緒に鳴っているのだそうです。

四男は「げいかん」。牢獄の門の上に虎に似た動物の胸像が昔飾ってあったそうで、その動物が「げいかん」というのだそうです。虎に似ていて恐い顔をしているのですが、おしゃべり好きなのだそうです。

五男の「饕餮(トウテツ)」は食いしん坊。だから鼎や杯、食器などの飾りになっています。

六男のの「覇下(バシャ)」は水が好きで、橋や水路の出口、雨樋に使われています。故宮などの建物の欄干に龍に似た動物がたくさん顔を突き出していますが、それが「覇下」です。

 七男の「睚眦(ヤズ)」は殺すのが好きなそうで、刀剣の鯉口に飾りとして彫られています。

八男は「すぁん猊(スアンニ) 」。火や煙が好きで、かつ人の話しを聞くことも好きなので、寺院の香炉や仏座の飾りになっています。偉いお坊さんに対して「猊下」という言い方をしますが、この「猊」は「すぁん猊」からきています。

九男は「椒図(ジョクト)」。門の扉についている恐い顔をした動物が「椒図」です。「椒図」は口をきちんと閉じているので門番として門の扉についています。

 

 

 

 このように宮殿などのあちこちで九匹の龍の子供たちは見受けられます。父親である龍つまり中国をいろいろなところで守っているというわけです。

 変な蛇足(蛇足というより龍足というべきか?)
龍の足の指は中国の場合5本です。日本では3本が普通ですが。朝鮮半島では中国との関係で龍の指の数が決まったようです。中国と対等な時代は5本、中国に隷属していた時代は3本。ということは、日本はずっと中国に隷属していた??というのは冗談ですが、本当の龍の指は5本。中国の本当の皇帝に遠慮して指を欠かせたとも言われています

1999年2月15日

 


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